ぜん息について
ぜん息は呼吸の際の空気の通り道である「気道」が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
ぜん息の代表的な症状は、ぜん鳴(呼吸をするたびに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえる)、せき、息切れなどが挙げられます。
ぜん息は小児では約9割がアレルギーによるものだと言われています。アレルギーの原因となるものには、ダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、食物、花粉などがありますが、年齢が上がるにつれてこの原因物質が食物(たんぱく質)からダニやハウスダストへ、さらに花粉などへと変化していくことがわかってきました。
・FeNO測定(一酸化窒素測定)
気管支の炎症(腫れ)の指標として、吐く息の中の一酸化窒素濃度を測定します。県内の小児科では、獨協医科大学と西方病院、当クリニックのみでできる特殊なぜん息の検査です。アメリカ・ヨーロッパでは広く使用されておりますが、日本ではアレルギー専門医の一部でしか行われていません。
・呼吸機能検査(スパイロメトリー)
いっぱいに吸い込んだ息を一気に吐き出すことで、肺機能や気道の状態を調べます。
ぜん息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)等の診断に用います。
・Spo2(酸素飽和度)
ぜん息等の発作時に行う検査で、動脈中の酸素量を調べ、発作の程度を判定します。発作が起こると呼吸が
困難になり、血中の酸素量が減ります。この数値は発作の程度を見分ける一つの目安です。
・レントゲン検査
胸部をX線撮影し、気道と肺の状態を調べます。肺炎等の感染症とぜん息との鑑別を行います。
・喀痰(かくたん)検査
たんの中に好酸球が含まれているかどうかで、気道の炎症状態を調べ、ぜん息か他の病気かを判別します。
ぜん息の症状やピークフロー値、使った薬などについて記録していくものです。継続して記入していくことは、患者様や家族にとって容易ではありませんが、正しい治療を受け、症状をコントロールするために、非常に大きな役割を果たしています。当クリニックにはオリジナルのぜん息日誌があり、無料で配布しております。
肺から息を吐き出した時の速度を測るための器具です。定期的な測定によって気道の状態を客観的に把握できます。けんこう日記に測定の結果を記入することで症状をコントロールするのに役立ちます。
吸入薬を霧状にし、直接気管支に届けるための器具です。医療機関と同じように自宅でも吸入を行えることは、非常に有効です。次のような場合にはネブライザーの使用が望まれます。
① 定量噴霧吸入器(フルタイドなど)をうまく使えない乳幼児
② 予防薬としてパルミコートやインタール吸入液を使用する人
③ 発作が多く、吸入療法で軽快する人
代表的な吸入補助具としてエアロチャンバー・プラスとボアテックスがあります。これを用いることにより薬の吸入の効率が良くなります。
☆ピークフローメーター、ネブライザー、吸入補助具の購入時は使用の目的や用途を考え、医師、看護師にご相談ください。